
ガサラキ制作時の思い出……うーん、困った困った。いや、正直いってDVDボックスの良輔さんとの対談とネタかぶりまくり。どうしよう。集団作業の大切さは野崎さんのコメントを読んで頂ければいいし、将来へのチャレンジは良輔さんのコメントから感じ取ってもらえれば……というわけで、極私的な観点から書くことにします。作品に対する俯瞰視点はありませんので、興味のある方はDVDボックスを買って各スタッフのコメントを読んでください。あ、その前に「すいません、テレビ大阪の金岡さん」とひとまず謝っておきます。現場としての注文をかなり強引に押し通した気が……。
で、話を本線に戻しますが、この作品の仕事が持ち込まれたのは、TVの勇者王ガオガイガーという作品に関わっている時で、最初は企画書を見ただけだったんですよね。その後、私はガオガイガーのゲームムービーをつくったり、IGでワンピースをつくったりしつつ、自作のTVシリーズをやるかやらないかでたらたらと日々を過ごしていて、気がついたらガサラキのスタッフに組み込まれていたわけです。この、気がついたら、というのがリアルな感想で、なぜか御祓いに行くはめになったり、スタジオが雨漏りして大騒ぎになったり、良輔さんの飲み会に週一でつきあったり、あ、良輔さんと望月さんと私の三人で飲みに行ったことがあって、あれは楽しかったなぁ。現場的には銃器類を調べていたはずが、経済の勉強もしなければならなくなったりして、いやぁ、ドタバタと足掻いているうちにもう、打ち上げ、という感じで。省略しすぎだって言われるかも知れないけど、良輔さんの補佐として、べったりとそばにいつつ、自作をつくるための勉強をしていた面もあるので、細かい事ってほとんど憶えていないんですよ。
ただ、この当時、付き合っていたスタッフの方々に、以降もいろいろとお世話になっているんですね。すいません、敬称略で、あと字数もあるので、ちょっと限定して記しますが、プロデューサーの小林、古澤、高城、小池。美術の池田。色彩設定、色指定の岩沢、柴田、佐々木。音響の浦上、庄司。V編の山手。演出の吉本、杉島、オグロ、北村。作画の玉川、植田、寺岡、大塚、中田。声優……にいたっては多すぎて書ききれません。
どんな作品であっても、そこにはスタッフとの出会いがあって、それがまた、次の作品につながっていくわけですが、この作品にはとりわけ、その要素が多かった、と言えます。そういう意味でも関わることが出来たのは幸せでした。正直、フィルムは若いし、私の技術は今も昔も全くなっていないのですが、それでも一見の価値有り、と思っています。アニメーションの可能性や、挑戦という意味でも大事な作品なのではないでしょうか。
谷口 悟朗