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SPECIAL 特集


 ガサラキからすでに12年。時間がずいぶん経ったような気もするが、昨日のことの様な気もする。時に、『高橋良輔にとってガサラキという作品はどんな意味を持っているか』という質問を受ける。このことには私なりに明確な答えがある。
 ガサラキ以前の私のアニメーションへのスタンスは『プロダクションからのオーダーに応える』というものだったような気がしている。もちろんひたすらに求められるものに従順であったとは言わない。だが、かなりのところでプロダクションの希望に沿おうとして作品開発やら製作やらに取り組んできたと思うのだ。ではガサラキ以降私の何が変化したのか。
 ガサラキ以降の私は“アニメで何が表現できるか”という事に自覚的に向かってしまったと認識している。それは“アニメで主張できるテーマの拡大”という側面をも持ってしまったことで、いわゆる昨今のアニメの中心軸からは離れざるを得ない。必然、ヒットということからは見放されてしまっている。だがヒットがいらない作り手などいない。私自身はまだまだ次なる時代との邂逅を待ち焦がれさすらう欲深な現役のアニメの漂泊者であると思っている。

高橋 良輔 


'43年東京生まれ。虫プロダクションを経てスタジオあかばんてんを主宰し、現在はフリー。
'73年「ゼロテスター」で初監督。
代表作として「太陽の牙ダグラム」(原作・監督/'81)「装甲騎兵ボトムズ」(原作・監督/'83)「機甲界ガリアン」(原作・監督/'84)「蒼き流星SPTレイズナー」(原作・監督/'85) 「沈黙の艦隊」(監督/1996)「ガサラキ」(原案・監督/'98)「火の鳥」(監督/2004)「モリゾーとキッコロ」(監督/2004)「FLAG」(原作・総監督/2006)「幕末機関説 いろはにほへと」(原作・総監督/2006)「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」(原作・監督/2007年)「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」(原作・監督/2008年)「装甲騎兵ボトムズ 幻影篇」(原作・監督/2010年)。
2011年1月には「装甲騎兵ボトムズ 孤影再び」がイベント上映される。



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